僕は、会話が止まるとたちまち死にたくなってしまうくらいの
極端な「沈黙恐怖症」ですので、何時間でも話を続けられる能力
を持っている人にとても憧れます。
先日電車に乗った時に、近くにいた主婦らしき女性たちの会話が
耳に入ってきました。(電車の中というのは、他人の会話が
とても良く聞こえ、また、とても気になるものです。)
渋谷から1時間ほど電車に乗っていたのですが、
その間ずっと盗み聞きをしてしまいました。
驚くべきことに、その二人の女性の会話の内容が、
渋谷から1時間ずっと、家庭内の「洗濯物の話」だったのです。
バスタオルは嵩張るから洗濯が大変だという話に始まって、
だから私はバスタオルは毎日は洗濯はしないわよ、
そうそう、パジャマだって毎日は洗濯しないわ、
だからウチでは、パジャマとバスタオルは毎日交互に
洗っているのよ、そうそう、ウチの主人も子供も、
私がせっかくスウェットを用意しても着ないのよ。
私なんて、パジャマよりもスウェットのほうが、そのまま
ゴミも出しに行けるし、楽だから着ているのに、ウチの主人と
子供ったら、私がせっかくスウェットを用意してあげても
パジャマばかり着るのよ、アレはなんで?
などと、延々とバスタオルとパジャマとスウェットの話を
しているのです。
僕は、すごいなあ、たったこれだけのネタで、
1時間もしゃべり続けられるなんてすごいなあと思いました。
話に飽きたら別の話題に移るはずなのですが、
そういう気配はみじんもなく、楽しそうに話しているのです。
1時間と言えば、僕なんて冷や汗をかきながら、せっせと
次の話題、次の話題とみっともなく焦っている始末ですので、
ひとつの話題をゆったり話せる技術をぜひ見習いたいものです。