日記

100%満足した作品

音楽を作っていますと、その日に

「ああ、良いものができた。」

と思っても、一晩寝て目が覚めると、

「ああ、つまらないものを作ってしまった。」

と大きな後悔に苦しむことがよくあります。

映画制作の現場で、これまでの日本の映画界を支えてきた
素晴らしい方々とお話をさせていただく機会がありましたが、
どの方も

「終わってみて100%満足した作品などひとつもない。
 その気持ちは次の作品で昇華させるしかない。」

とおっしゃっていたのが印象に残っています。

そもそも、創作の仕事というのは終わりがないもので、

「これに決めた。」

と自分なりにひとつの結果を出したとしても、
少し時間が経っただけで、もうそれを後悔する始末です。
すぐに作り直したくなってしまうのです。

また、たとえ作り直したとしても、また少し時間が経てば
元の状態に戻したくなったりするので困ります。

「堂々巡り」が延々と続く感じで、それは、
創るのが人間であり、人間は時の変化と共に身体や心、
ものの感じ方などが変わってくるからでしょう。

カメラのシャッターを押して時間を切り取るように、
時の流れの中のある一瞬で「完成」を宣言し、
それを作品としていくしかありません。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。