映画について話す時、
「あの映画観た?」
などという会話から始まりますが、それはその映画の
「ストーリーを知っているか?」
という質問と内容は同じです。
物語のすじを知っていれば、その映画を知っている、その映画を
鑑賞した、ということになっているようです。
今は、世界中のあらゆる映画を家庭内の端末(テレビやPCやスマ
ートフォンなど)で簡単に観ることができますから、そのような
会話の特性も一層強まりました。
しかし、本当に映画が好きな人は映画館に出かけます。
それは、映画をジェットコースターやお化け屋敷と同じように
体験型の「アトラクション」と考えているからです。
都会の喧噪の中に突如として出現する暗闇と静寂。
目の前に繰り広げられる様々な物語。
一緒に笑ったり泣いたり、感動を共有する見知らぬ人々。
これらは強烈な「非日常体験」となって、心に強く残ります。
映画というものが、エンターティメントの片隅に追いやられて
久しいですが、いよいよ端末での鑑賞に飽き飽きしたユーザーが
素晴らしい非日常体験を求め始める頃でしょう。
砂糖菓子のワルツ(歌バージョン)/作曲:山谷 知明