日記

頭に入ることと、心まで届くこと

頭に入ることと、心まで届くことの違いは何でしょう。

頭に入っても、心まで到達しなければ、それは身になりません。

「電子書籍 VS 紙の本」ということがあちこちで議論されていま
すが、それが良い例だと思います。

電子書籍で読んだ情報は、頭に入っても、心まではなかなか届か
ないのです。

この世界のすべての現象は、発信者ではなくて受信者によって
創り上げられると言って良いでしょう。

たとえば、同じ音楽を聞いても人それぞれ感想が違いますし、
同じ本を読んでも感じるものがそれぞれ違います。

感じるものが違うということは、それぞれが異なる行動を取るこ
とにつながり、異なる行動の結果は大きく違って当然です。

ある一冊の本を読んで、Aさんは特に感動しなかったので行動も
これまで通りでしたが、同じ本を読んだBさんはとても感動して
その本に影響を受け、行動がそれまでとは違ったものになります。
行動が変わるのですから結果も変わることになって、その結果、
同じ本を読んだ二人の人間の人生は大きく変わることになります。

つまり、本という発信者は同じでも、それを受け取る受信者の
心構えによって、得られるものが大きく違うということです。

この「心構え」を作るのが、本の重さであり、ページをめくる時
の手触りや音であり、それが電子書籍では得ることができないた
め、本を読む心構えができず、情報が心まで届いてこないのです。

それは音楽に対しても同じではないかと思っています。

ダウンロードやストリーミングで聞く音楽はラジオに近く、
どんな曲が存在しているのかを知るきっかけにはなりますが、
その音楽を好きになり、もっとよく聞きたい、その音楽から、
さらに素敵なものを得たいと思ったら、CDやレコードを買って
プレイヤーにセットし、再生ボタンを押して音楽が始まる直前の
期待感を楽しむことで「音楽を聞く心構え」が出来上がるのです。

そうやって聞いた音楽は、大きなものを与えてくれるでしょう。

本や音楽から何を得られるかは、作品そのものではなく、
受け手の心構えによって大きく変わるのです。

今日の音楽

夜明け/作曲:山谷 知明

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。