日記

名作を生み出す技術は、使用する道具のスペックには比例しません

音楽制作でも映像制作でも、ハードとソフトのめざましい進化に
よって、数年前はひじょうに高額で、プロでも操作がなかなか
難しかった機材が、現代では、一般の人でも手軽に買うことが
でき、その扱いもとても易しいものになっています。

素人でもプロのような作品を作れるようになったでしょうか。

「プロっぽい」作品は作れるようになりましたが、
プロが作るような作品は作れないでしょう。

なぜなら、プロが作るものとアマチュアが作るものとの差は、
ハードやソフトの進化とは別の部分にあるからです。

たとえば、モーツァルトがこの時代に生きていたとしたら、
高度な音楽制作機材を使って、素晴らしい音源や楽譜をたくさん
作るでしょう。

もしも、ハードやソフトの進化によって、誰でも素晴らしい音楽
が作れるとしたら、モーツァルトが作るような音楽が現代では
量産されているはずですが、実際はそうはなっていません。

むしろ、昔に比べて、素晴らしい音楽作品や映像作品の量が減っ
てしまったのではないかと不安を覚えるほどです。

実際には、誰でも簡単に作れる作品が量産されただけで、
心に響く名作は、いつも少数です。

映画『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』の編集者である
ウォルター・マーチという人が、現代では誰でも簡単に手に入る
「Final Cut Pro」という素人向けの動画編集ソフトを使って
映画を編集し、アカデミー賞を獲りましたが、このことからも、
名作を生み出す技術は、使用する道具のスペックには比例しない
ということが分かりますね。

今日の音楽

夜明け(バージョン2)/作曲:山谷 知明

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。