日記

人間を撮影する時には

ファッション誌『VOGUE』でたくさんの著名人を撮影してきた
写真家のMALさんに、ポートレイトを撮影する時のMALさん自身の
心の状態を尋ねてみました。

人間を被写体として撮影する時に、その人のきれいなところを
撮ろうとしたり、笑顔や良い表情が出た瞬間を切り取ろうとする
と思いますが、MALさんは撮影の時に

「笑って」

などと言うことは一度も無かったため、どのような意思決定で
あのような美しいポートレイトを撮っているのかずっと気になっ
ていたのです。

笑顔や美しさ、その人らしさが被写体の顔から出て、撮影者は
それを受け止めるようにして撮影するというイメージが一般的
だと思いますが、MALさんの答えはまったく違うものでした。

僕の質問にしばらく考えた後でMALさんは、

「僕の意識が相手の中に入る感じです」

と答えました。

撮影の時の意識の方向性が、「受け」なのではなく、こちらから
向こうに入っていく感覚なのだそうです。

そうすることによって、写真にその人らしさ、その人の「素」が
表現されます。

僕も今後、人を撮影する時には、MALさんの話を思い出して、
相手の中に意識を注ぐような気持ちで撮ってみようと思います。

今日の音楽

予感/作曲:山谷 知明

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。