「あなたの気持ちが分かります」
と言いますが、本当でしょうか。
結局のところ人間は、自分自身のことしか分かりません。
他人の脳や心を完全に理解することはできないのです。
他人は自分ではないのですから。
もちろん、他人を理解しようとすることは良いことです。
人の気持ちも考えず、自分の好き勝手に生きるよりもマシです。
しかし、自分が理解できるのは自分自身の人生であり、
他人の人生を完全に理解することはできないでしょう。
では、仕事をする上で他人(お客さん)のことを考えたり、
創作する上で他人の人生を描こうとする時にはどうしたら良いの
でしょう。
どうやって自分と他人の境界線を乗り越え、自分と他人を融合
させたら良いでしょう。
それは、自分自身がお客さんになる、自分自身の人生を描くとい
うことです。
描こうとする他人の人生はひとつの手掛かりに過ぎず、そこで
描こうとするものは自分自身の人生でなければいけません。
アンドロイド/作曲:山谷 知明