世の中にはいろいろなことに夢中になっている人がいて、そうい
う人の存在を知り、そういう人の話を聞くことが、今の僕の
楽しみの一つとなっています。
その人はなぜそれに夢中になっているのか。
その人が夢中になっていることは、僕にはまるで興味がなかった
ものなのに、その人の話を聞いているうちに、そのものの隠れた
魅力に気が付き、なるほどこの人はこれのこういうところが好き
でこんなに夢中になっているのかと気付かされます。
僕自身にも夢中になれることがありますから、それと重ね合わせ
て、その人がそれに夢中になる気持ちを理解することができます。
その夢中の感覚の一致に、大きな喜びを感じるのです。
それは、自分には無い目を持てるという感覚です。
僕が見過ごしていたこの世界の魅力を、その人の目を通して発見
し、認識し、その魅力を味わうことができるのですから。
南の国/作曲:山谷 知明