日記

制作者と創作者

作る前に、これから作ろうとするものを頭の中にイメージした上
で作り始めるということが、プロとして数をこなして仕事をして
いるうちに難しくなってきます。

所謂「手ぐせ」というものがあり、制作する上での習慣のような
ものに沿って仕事が円滑に進んでしまうからです。

そのほうが制作者の負担が少ないですし、制作者の特性がすんな
り反映されてお客さんにも喜んでもらえるものができます。

レストランやパン屋さん、お菓子屋さんなどは独自のレシピを
持っていて、その通りに毎日毎日同じ物を作りますから、

「あのお店のあれが食べたい」

とお客さんに思ってもらえるわけです。

提供する側も、いったんレシピが完成してしまえば、その後は
それを元にして、延々と作り続けるだけです。

もちろん日々改良を加えながら仕事をしますが、大幅な変更が
なされることは滅多にありません。

しかし、「制作者」ではなく、「創作者」として命をかけなけれ
ばいけないのは、レシピ作りの部分です。

まだこの世に無いもの、自分が作ったことのないもの、新しい
分野への挑戦など、頭の中に作りたいものをイメージするところ
から始めることは多大な気力を必要とします。

その困難を乗り越えて、新しいものを創ろうとする気持ちが
消えてしまっては、創作ではなく単なる「作業」になってしまう
でしょう。

今日の音楽

新しい道(バージョン6)/作曲:山谷 知明

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。