ある人が死に、その人のことを思い出す時、心に強く思い出され
るのは、その人がどんな偉業を成し遂げたかということよりも、
その人が好きだったものや、その人のおかしな癖、何気ない横顔、
その人と話した何でもないような日常のことなどです。
そういうもののほうが、成し遂げた仕事の業績などよりも、
強く心に残っているというのは不思議ですね。
死んでしまった人のことを想う時、その人の外面的なものではな
く、その人の内面的なものに気持ちが向き、そして、人間対人間
として、その人と自分自身を重ねるからかもしれません。
失われた風景/作曲:山谷 知明