冬が近づいて空気が冷たくなってくると、もうすでに亡くなって
しまったり、事情があって会えなくなってしまった人のことを
思い出します。
「思い出す」というような能動的なものではなく、季節の雰囲気
に後押しされて勝手に心に浮かんでくるような感じです。
「あの人はこんなこと話したな」
「あの人どうしているだろうな」
などと、ふと思い出すのです。
不思議なのは、そんな時に思い出すことは、その人との核心のよ
うな重要な出来事などではなく、その人のふとした仕草だったり、
つい微笑んでしまうような何気ない一言だったりするところです。
出来事ではなく、その人そのものが大切な思い出なのです。
冬の窓/作曲:山谷 知明