先日、外で食事をしていたら、隣のテーブルの女性たちが
「物を手に取って見ないで買うなんてよくできるわね」
と話しているのが聞こえて愕然としました。
今は何でもネットショップで買うことができます。
それが当たり前の生活になりました。
買い物の基本的な姿は、瞬間的な等価交換であるはずです。
人間と人間が道で出くわして品物を実際に手で触らせてもらって
じっくり見て買うか買わないかを決めます。
そして物とお金をその瞬間に交換します。
ところが現代では、画面に映った写真を見ながら、
「これはこういう物のはずである」
という推測をして、そのイメージに対してお金を払っていること
になります。
アマゾンは、最初は本やCDなど、推測がしやすく、その推測が
ほぼ正解となる物を売っていましたが、今は規模が拡大され、
電化製品や衣類、日用品や食品まで売られています。
当然のことながら推測の難度が上がりますから、
「こんな商品だとは思わなかった」
ということが発生することになります。
僕の周囲では最近、衣類や食品、生活の日用品はもちろんのこと、
アマゾンの元祖である本でさえもアマゾンでは買わずに、近くの
実店舗で買う人が増えています。
アマゾンで買い物をすると欲しくはない余計なものをどんどん
勧められて、推測を強要されて疲れてしまうというのです。
「便利に物を買うことはできるが、
買い物をするという行為のクオリティーが下がる」
と言う人もいます。
禁じられた踊り/作曲:山谷 知明