習慣というものの威力を思い知るのは、ふと立ち止まって後ろを
振り返ってみた時です。
たとえば僕は、毎朝本を1ページ(たった1ページ!)を読むこと
を習慣にしているのですが、僕の好きなドストエフスキーの本な
んて、辞典のように分厚くて、手に取るとずっしりとして、
まるで石でも持っているような重さを感じるほどですから、読み
始める時には、
「こんなもの本当に読み終えることができるのかな」
などと思ったりします。
ところが、毎日1ページずつ読んでいって、ある日ふと本を閉じる
時に、しおりの挟まった位置を目の当たりにして驚きます。
いつの間にか半分以上読み進めていたことに気付くのです。
習慣というものはきっとどんなことでも同じように、
「気付かないうちに恐ろしいくらい進んでいる」
ものなのだと思います。
ですから、良い習慣は当然その人間にとって良い結果をもたらし
てくれますが、悪い習慣は怖いくらいジワジワとその人の人生を
奈落の底へと確実に誘導していることになります。
ゴースト/作曲:山谷 知明