日記

好きな本や音楽は、その「重さ」を感じたい

「デジタル書籍 VS 紙の本」ということが至る所で議論されて
いますが、レコードがCDの売り上げを追い越したことからも明ら
かなように、どうやら人間はアナログのほうに惹かれるようです。

数年ぶりにレコードを買って、僕もそれを実感しました。

すべては「重さ」だったのです。

デジタルには重さがありません。0と1から成る信号の配列です。
それに対して、アナログには物体としての確かな重さがあります。

この重さを感じられるかどうかが、作品を愛する上でとても重要
だったのです。

もちろんデジタルにはデジタルの良さがあります。
新作を次から次へとチェックしていくにはデジタルが便利です。

部屋のスペースを占領することもありませんし、視聴するための
操作がとても簡単で、いつでもどこでも誰でもできます。

ところが、操作がイージー過ぎるために、心に深く入ってこない
のです。

作品を「知る」ことはできても、「愛する」というところまでは
到達することができません。

気に入った作品を愛するためには、そのものの重さを感じる必要
があったのです。

その重さというのは、作品の内容の重さではなく、物体としての
物理的な重さです。

この重さを感じられるかどうかで、その作品に対する愛着の度合
いが天と地ほども違うことを実感しました。

大好きな音楽が刻み込まれたレコード盤を持った時に手に感じた
重さはそのままその音楽への愛の重さと等しいと言えるでしょう。

では、CDを持ってその重さを感じればいいじゃないかと言われる
でしょうか。

しかし、CDに入っているデジタル信号は、ネット配信で流れている
ものとまったく同じです。
ですから、単にデジタル信号がCDにコピーされているだけという
気がしてしまい、愛はそれほど深まりません。

それに対して、レコード盤は置き換えることができません。
このレコードがなければこの音は聞こえないのです。

愛というのは重さであると気付きました。

好きな作品は、その重さを感じたいのです。

今日の音楽

Felice/作曲:山谷 知明

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。
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