日記

8センチCDの中の宝物

中学生の頃に夢中になって買っていた「8センチCD」を
最近また買い集めています。

「8センチCD」というのは、通常のCD(直径12cm)に対して
直径が8cmの小型のもので、アナログレコードに替わってCDという
メディアが音楽産業で広く使われ始めた頃、シングル盤は、
ほとんどこの「8センチCD」で販売されていました。
(現在ではアルバムもシングルも直径12cm盤が主流です)

ジャケットを含めたトータルの形状にも特徴があり、
縦型で、iPhoneを大きくしたようなイメージです。

CDが収まっている上部と、単なる骨組みだけの下部プラスチック
とをへし折って切り離し、コンパクトにできるようになっていて、
収納を追求する者はそのように小さくして保管し、
ジャケットの雰囲気を大事にする者は切り離さずに、縦型の長い
まま保管しておいたものでした。(どちらの場合でも専用の
プラスチックケースが売られていましたね。懐かしいです)

僕が中学生の頃ですから、タイトルとしては、小田和正さんの
『OH!YEAH!/ラブ・ストーリーは突然に』(8センチCDの
形状を最大限に活かした小田さんの反身ジャンプのジャケット
が素晴らしい!)や、CHAGE&ASKAさんの『SAY YES』などを
せっせと買い集めています。

青森の実家のどこかで埃をかぶっているに違いないのですが、
それでもついまた買ってしまいたくなるのは、女性には理解
しがたい、男子特有の収集癖のためでしょうか。

中学生の頃に何度も何度も聴いた曲を今改めてじっくり聴く
ことで、新鮮な想いが胸に広がります。

僕は音楽を作る仕事をしていますので、懐かしさだけではなく、

「ああ、このメロディーに切ない感情が湧くのは、
 この音がこんな風に使われているからだったのか」

とか、

「この高音域の空気感は、あの機材を使っているからか」

とか、

「この部分を作るには相当苦しんだに違いない。
 面倒な作業を苦行のように積み重ねている様子が目に浮かぶ」

など、中学生の頃には思いもしなかったこと(制作の舞台裏、
それも想像に過ぎないのですが)が次々と思い浮かびます。

そして、最終的にもっとも大切なことに気が付きます。

それは、今も昔も、面倒な作業を積み上げて苦しみながら作り、
「もっと良く、さらに良く」と何度も作り直し、ようやく
「これでいこう」と一抹の不安の中で完成印を押すという、
制作者の心構えや仕事の手順、込める想いの熱量は変化しない、
むしろ、変化してはいけないということです。

メディアが変化しても、技術的な制作スタイルが変化しても、
制作者の姿勢だけは、いつも同じでありたいと思います。

今日の音楽

美しい雨/作曲:山谷 知明

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。